2020年能勢淨るり月間 ONLINE


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壺坂観音霊験記−沢市内より山の段

古典演目/2019年6月能勢淨るり月間「能勢人形浄瑠璃鹿角座公演」より

作:不詳  改作・加筆:二世豊澤団平、加古千賀  作曲:二世豊澤団平

 西国三十三所の観世音に伝わる伝説を集めた『三十三所花の山』と題する浄瑠璃のうちのひとつ。浄瑠璃にはめずらしく明治時代になっての作品で、普遍的な夫婦愛がテーマになっています。

あらすじ

 大和国は壺坂寺の麓にある土佐町に住む座頭の沢市、妻お里夫婦。ある日、沢市は以前より心に持っていた疑いをお里に尋ねます。それは夫婦になってから、明けの七つ(午前4時)からさき、お里が一度も居たことがないことで、ほかに男がいると思っていたからです。それを聞いたお里は、夫の眼を治したいと毎夜壺坂寺に願掛けに行っており、三年間続けて今日で満願だと涙ながらに訴えます。沢市は女房に詫び、一緒に寺へ行き、三日間のお籠りの祈願をすることになります。

 お里に杖を曳かれ沢市は壺坂寺へとやって来ました。しかしながら沢市は、自分が死んで、別の良いところに縁付きをすることがお里の幸せになると、お里を一旦家に帰しておいて、崖から身を投げてしまいます。

 用事を済ませて戻ったお里は、沢市が見当たらず必死に探し回り、崖の下に夫の死骸を見つけ、自分も夫の後を追い、身を投げてしまうのでした。

 夫婦が身投げした谷底。そこに観音様が現れ、お里の貞節と信仰心を褒め、ふたりを生き返らせます。

 息を吹き返したふたり。しかも沢市の眼が開いているのです。沢市お里夫婦は、これも観音様のお蔭と感謝し、よろこびの万歳(祝う歌舞)を舞うのでした。