2020年能勢淨るり月間 ONLINE


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閃光はなび〜刻の向こうがわ〜

オリジナル演目/2017年6月能勢淨るり月間「能勢人形浄瑠璃鹿角座公演」より

原作:岸本みゆき 補綴:竹本千歳太夫、鶴澤清介、桐竹勘十郎 作曲:鶴澤清介

あらすじ

 時は江戸の初期。大坂北摂、能勢の地に降り立つ二人の若者ハセとキルデ。彼らは地球人の20倍もの寿命を持つ遙か宇宙の星から、地球調査の任務を担ってやってきました。そしてハセには地球調査のほかにもうひとつ大切な目的がありました。

 ハセの父カルキは、さかのぼること800年前、地球で出会ったカンロと恋に落ち、娘モネをもうけます。幸せにくらしていたのも5年ほど、ある日川に橋をかけるためにモネを人柱にするという奉行が来て、抵抗するカルキは斬り合いの末に傷を負い、やむなく自分の星に帰ることになります。別れ間際に妻と子に能勢の里に身を隠し、花の露を飲めば姿が変わることなく生きて行ける『月華夢幻』という花を託すのでした。そしてカンロは自分の黒髪をカルキに渡し、哀しい別れを迎えます。

 能勢の里で尼僧として暮らすカンロとモネ。そこにハセが訪れ、父カルキの話をはじめます。カルキは星に帰って20年後に傷がもとで亡くなってしまったこと。死ぬ間際に、『月華夢幻』により寿命を延ばすという天地の道理に反したことを悔やみ、ハセにふたりの身を地球の法則に戻すよう頼んだこと。そして実は自分はカンロの黒髪から生まれた息子であること…を伝えます。

 その話を陰で聞いていた、不老不死の仙薬を探す侍たちとの争いがもとで、『月華夢幻』は枯れ始め、カンロ、モネの姿はみるみる年老いていくのですが、息子ハセによって寿命を終えようとすること、5年間の熱い思いがせんこうはなびの輝きであったことをカンロは切々と涙ながらに語ります。

 そして親と子、姉と弟のめぐり合いを喜び、残された寿命を愛するカルキが眠る星で暮らすため、地球をあとにするのでした…。